オンラインカードゲーム「アルテイル」で活動している白の聖皇のブログです
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■■■魔法王国の滅亡 -Story of Regus- 断章 二人の魔道騎士
2008/04/20 Sun小説【アルテイル】
崩壊した王城の中、デュランダルの進路を遮るように立つ者居た。
魔法王国ではあまり見ることの無い、白いローブを身にまとった女性だった。
女性が携える身の丈ほどもありそうな巨大な槍が、彼女がただの魔術師では無いことを表していた。
彼女を見たデュランダルは、面倒くさそうに行った。

「やれやれ、ここまで追いかけてきて何をするつもりですか?帰りなさい。ウルグが待っていますよ。」
「私は何を言われようとも……貴方をこの先に進めるわけには行きません。」

「貴方が何故、この国を滅ぼすというのですか!」

悲痛な叫びが響き渡る。
彼女の名は『マルジューク』。
その槍術もさることながら、特殊な魔術を使用することで『魔道騎士』と呼ばれている女性だ。
目の前に立つ聖騎士の所業を、彼女は未だ信じられずにいた。

「あなたはこの魔法王国の発展に尽力してきたはず……それなのに!」

聖騎士の言葉は、彼女の心をいとも簡単に砕く。

「貴女や魔法王国にはもう興味はありません。必要の無くなった玩具は処分するだけですよ。」

それは残酷な言葉だった。
彼女がずっと寄せていた信頼を、元々無かったかのように打ち捨てる。

「デュランダル……様……?」
「私にはここでやらなければ行けない事がまだあるのですよ。さぁ、どきなさい。邪魔です。」

しかしマルジュークは、その場を動こうとはしなかった。
自らの身の丈ほどもある巨大槍を構え、震える声で言う。

「どうしても……進むというのなら、この私を倒していって下さい!」

それは覚悟と決別が混ざった叫び。
最も尊敬し、信じた師と呼べる者を倒す彼女の決意。

「マルさん、確かに君は実に素晴らしい力と心をお持ちです。」

デュランダルも長剣を抜き放ち、構える。

「でも、それが必ず勝利に繋がるとは思わない事ですよ。」

デュランダルの剣と、マルジュークの槍が交差する。
一撃目の威力は互角。
反動で互いに距離を取り、魔術の詠唱が同時に開始された。


「光の魔道槍!!」

先手を取ったのはマルジュークだった。
中空に出現した光の槍が一斉にデュランダルを襲撃した。

「魔道“光の裁き”!!」

すかさずマルジュークは追撃の術の名を叫び、距離をつめる。
術式に従い彼女の手に現れた巨大な光の刃が、デュランダルを貫いた。
続き光の槍が無数、降り注ぐ。

「これで……」

勝負は決したかに見えた。が




「腕を上げましたね、マルさん。少々驚きましたよ。しかし――」

デュランダルは変わらぬ姿でその場に立っていた。
『光の魔道槍』『魔道“光の裁き”』
二つの魔術に貫かれたはずの体は、既に再生を始めていた。

「――これではやはり私を倒すことは出来ませんね。」

『完全不死』
デュランダルが見に宿す絶対の力。
破る方法は見つかっていないと言われている。
デュランダルの剣が宙に魔方陣を刻む。
それは彼の必殺の魔術。

「さぁ、お別れの時間です。」

デュランダルの口から死の宣告が放たれる。

(時間稼ぎさえ……出来なかった……)

魔法王国完全滅亡までの時を少しでも延ばす。
『完全不死』を持つデュランダルを倒すことは出来なくても、せめてそのくらいは出来るはず。
そう思って戦いを挑んだはずだったのに。

(ゴメンね……ウルグ!)

一緒に魔術を学び、苦楽を共にした相棒を想う。
デュランダルの陣が完成し『異界の扉』が放たれた。
死の光に飲み込まれる寸前、彼女は思わず目を閉じる。
……衝撃は襲ってこない。

「……?」

恐る恐る目を開けると、そこに居たのは―

「ウルグ!?」

名を呼ばれた黒鎧の青年は彼女のほうを振り返り告げた。

「悪いな、マル。」
「え?」

青年の言葉の意味を飲み込めず、その意味を聞こうとした彼女の足元に突如、魔方陣が現れる。

「しばらく休んでいてくれ。あとは俺が引き受けるから。」
「な……待って!そんなの――」

言葉を最後まで言い終える前に、マルジュークの姿は消えた。
彼女の足元に現れた陣は魔術を学んだことがある者なら一目でわかる物だった。
物や生命体を、特定の座標に転移させる魔術、『転送』
彼女の姿を見送り、青年は再びデュランダルの方を向き直った。

「デュランダル……!」
「怖い顔をして……一体何のようです、ウルグラント?」

青年の名は『ウルグラント』
マルジュークと共にデュランダルから魔術を学んだ『魔道騎士』だ。

「それにしてもマルを一人にするなど……見ていてあげないとダメでしょう?あの子はすぐに暴走しますから。」

目の前の聖騎士から相方の名前を聞いた青年は、激昂した。

「マルの名を呼ぶな!!」

叫ぶと同時にウルグラントは剣を構え、デュランダルに斬りかかった。
重い一撃を受け止め、デュランダルの長剣が軋む。

「マルは貴方のことを信じていたのに……その思いをここまで踏みにじるのか!」

ウルグラントの言葉を聞いたデュランダルは、軽く笑みを浮かべた。
普段彼がほとんど見せることの無い、笑みを。

「ふふ……いや、面白いことを言いますね?」
「何がおかしい!」





「私は信じて欲しいなんて一言も言った事はありませんよ?」
「っ!!」

二人の剣が離れ、再びぶつかり合おうとしたその時。
ウルグラントの剣を持っていないほうの手に、暗黒色の魔力の剣が現れた。
完全に不意をついた剣は、デュランダルの腹部を深々と突き刺す。
魔術『闇の魔法剣』
マルジュークが得意とする魔術が「陽」ならば、彼が得意とする魔術は「陰」だった。

「……全く、誰も彼も邪魔ばかりしてくれる。」

腹を貫かれたデュランダルは、忌々しそうに言った。

「貴方といいマルといいインザーギさんといい……本来ならもう既にこの国は無くなっていた。そのはずだったというのに。」

腹部に受けた傷は瞬時に再生し、デュランダルは再び立ち上がる。
勝つことが出来ない、無敵の相手。
それでも、ウルグラントは戦いを止めない。
懐から短剣を取り出し言う。

「……お前はもうこの国の事もマルの事も喋るんじゃない。」

自らの指先を切り、流した血で陣を描く。

「その一言が全てを汚すんだ、お前は!」

それは彼の最後の切り札。
陣が完成すると同時に、ウルグラントの放つ力の質が圧倒的な物へ変化した。
『血魔道』と呼ばれるそれは、己の血液を媒介に自らにかかる加護を数倍に引き上げる力。

「たとえ何にもならないとしても……俺はここでお前を食い止める!!」

強力すぎる力―『血魔道』には相応のリスクがある。
使用者にかかる負担が大きすぎるのだ。
長時間の使用は、命の危険にさえ繋がってくる。
しかし、ウルグラントにはもう迷いは無かった。
剣で魔術の印を切り、デュランダルへ向かって突っ込む。

「闇の刃!!」

剣に収束した漆黒の魔力の刃がデュランダルの体を切り刻む。
全身から血を噴き出すデュランダルを、更に追撃しようとした時だった。



「……貴方も良く成長しましたよ。しかしやはり――」



突如、ウルグラントの剣に宿った『闇の刃』が消え去った。



「――私の退屈を埋めることは出来ませんでしたね。」

ウルグラントとデュランダルを囲むように、いつの間にか巨大な魔方陣が展開されていた。

「……っ!これは!!」

遥か大昔、魔法王国が誕生する以前に存在した超魔法。
術者の魔力の全てを解き放ち対象を攻撃するその魔法は、神の加護さえも消し去る。
それは古代の言葉で『失われた興味』と呼ばれた。

「さようなら。」

光の爆発―そう例えられるような魔力の奔流が、ウルグラントを飲み込んだ。


          ※


「はぁ……はぁ……」

マルジュークは王城内を歩いていた。
ウルグラントの『転送』によって安全な場所に送られたはずの彼女は、自らの力で再び戻ってきていた。
泣きそうな声で、探す名を呼ぶ。

「ウルグ……どこなの……?」

自分を逃がした相棒を、城内に求める。
が、彼の姿はどこにも見当たらない。

十字路を曲がり、戦いの場へ赴いた時。
――絶望することとなった。

「……嘘っ……ウルグ!?」




――そこにあったのは破壊の跡地と折れた剣。




――そして血の海に沈む、冷たくなった青年の体だけだった。















蠢く世界はあらゆる運命を捻じ曲げる。
そう、残酷に。




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プロフィール

白の聖皇

Author:白の聖皇
トレジャーバトルとチャット大好きなアルテイラー
現在は一時的にギルド『ぺたぺた屋』に加入中
最近は寮のサーバーの問題でアルテイルにログイン出来ないため、更新は小説やイラストがメインになりつつ……
時々友人の家からこっそりログインしてたりしますが
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なかなかいい感じデス

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